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細指


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Cyrtodactylus semiadii

Cyrtodactylus semiadii

ジャワ島固有のホソユビヤモリ属 Cyrtodactylus の一種。主にジャワ島東部に分布しており、ホロタイプ標本の産地は東ジャワ州トゥバン県。新種記載されたのが2014年と比較的新しい種類のようです。ホソユビヤモリは非常に多種多様で、近年でも度々新種が記載されている。ちなみに現在何種いるのかざっと調べたら354種もいるらしい(笑)。


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Cyrtodactylus semiadii

ホソユビというと過去にエロークホソユビヤモリとヨスジホソユビヤモリは飼育したことがあるのですが、好む環境なども少し違ったりするのだろうか。東南アジアのヤモリといえば似たようなヤモリの一つであるザラハダヤモリ属 Dixonius を飼育しているので、とりあえずはディクソン準拠で飼育してみようかと思案中です。まさか自分が今更ホソユビを飼うことになるなんて思いませんでした(笑)。正直に言うと私は大抵のホソユビがあまり好みではなく、故に彼らについての知識も少なく、この種の存在も知らなかったのですが、本種はそんな彼らの中で久々に好みに刺さった種でした。模様や肌質はどことなくBavayia exsuccida や Diplodactylus nebulosusChristinus とかあの辺りに似た雰囲気を持っていて、自分のイメージするホソユビっぽさがあまり感じられない。動きも非常に遅く、「本当にホソユビなのか?」と疑ってしまうほど。しかし指先や顔つきなど節々からホソユビらしさが多少醸し出されていて、この独特の雰囲気がとても気に入りました。久々に地味なヤモリを買ったが、たまにはこういう乙な物も弄っていきたい。


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香港紀行 - 2023 - ①


遡ること昨年の10月、とんぶり市2023が終わって約1週間後。イベント参加の余韻が醒める間もなく、人生3度目の海外フィールドに赴いた。


その目的地とは……香港


日本から僅か4〜5時間ほどで行くことができる中国特別行政区の一つであり、百万ドルの夜景と比喩されるほどの美しい光景を見せる都市と豊かな自然が混在する素晴らしい場所だ。今回はそんな香港でのフィールド紀行を忘れぬうちに書き残してみた。いささか表現がおかしな箇所も多々あるかもしれないが、軽い旅記録程度のノリで書いているので何卒ご了承いただきたい。

※今回は写真がかなり多いです。
※種の同定はほぼ絵合わせレベルで自信がないのでご注意ください。




「香港行きませんか」

そう誘ってくださったのは、毎度ながら野外観察などでお世話になっている One's habitat のいさゆ氏だった。いさゆ氏とは以前にもニューカレドニア紀行にて同行させてもらったことがある。そんな氏からのお誘いに当然断る理由はなく、喜んで同行させていただくことにした。今回の遠征は氏 + 共通の知人の3人での旅路と相成った。実に約4年ぶりの海外フィールドであり、かつこの3人が集まるのも久々ということもあってか、イベントが終わってもなお私の胸は高鳴るばかりだった。

日本から香港までは飛行機で約4〜5時間と非常に近い。今回の旅程は3泊4日だったが、可能な限り行動時間を増やしたかったため深夜の便に乗ることにした。乗り込むのは羽田発 - HKexpressの深夜2時頃の便。時間が時間なので、ある者は仕事を終わらせた足で赴き・・・ある者は1日会社をサボって赴き・・・各々やるべき事を終わらせ、前日の24時頃に羽田へと集結した。手早く円→香港ドルへの換金も済ませ、深夜の羽田でも開いている吉野家で腹拵え。自分は海外に行く前の空港でのひと時がいつも好きだ。非日常への期待感と若干の不安が、旅への実感を沸かせてくれる。

そしていよいよ香港へ。





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香港国際空港のターミナル

- 香港国際空港 -

現地時間6:00、無事到着。日本から僅か5時間ほどだったが、この中途半端に短いフライト時間のせいか機内で寝ることがほとんど出来なかった。空港は朝ということもあってか人は少なく、外国人はあまり目立たなかった。初の中国ということもあってか、空港でもっと大陸感を感じるものだとばかり思っていたが、意外と普通だ。
ここからホテルまでは電車を乗り継いでの移動となる。空港から中心地には直通のAirportExpressという鉄道が通っており、これに乗って移動する事にした。香港の鉄道は路線や駅名が非常にシンプルで分かりやすい。駅名の簡単な漢字であるため覚えやすく、日本人には有り難い。


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AirportExpressのホーム
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AirportExpressの車内
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AirportExpress車内電光掲示板

AirportExpressはホームも車内も大変綺麗で快適。車内の雰囲気は所謂普通の空港特急列車といった感じ。マレーシアの時に乗ったエクスプレスもこんな雰囲気だった。やや広く捉えすぎかもしれないが、アジアの空港エクスプレスは何処も大体こんな感じなのだろうか。降りる駅にもよるが、都心までは約30〜40分程度で到着する。車窓から時折見える香港の街並みに外国へやって来た実感が湧いてきた。


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香港の街並み
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独特な景観を織りなすビルの数々
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香港の街を歩く管理人(右端)

駅を出て街に一歩足を踏み入れると、まさに「香港」という景色が広がっていた。
所狭しと並ぶ高層ビル、色褪せた派手な建物の塗装、おびただしい数の剥き出した室外機、無駄でデカい中国語の看板、街を走る二階建てバス。どれも自分の頭の中でイメージしていた通りの光景だ。これが見たかったのだ。


そうして香港の街並みを眺めつつ歩いていると、約20分ほどでホテルに到着した。便が早かったこともあり、まだチェックイン受付までにはかなり時間がある。このままホテルに居ても仕方がないので、荷物を預け、周囲の散策がてら朝食を食べるため街へ出かけることにした。しかし時間がまだ早いためか、開店している飲食店がそれほど多くない。どこかに良い感じの店はないだろうかと歩いていると、街角に我々外国人でも程よく入りやすそうな雰囲気の飲食店を見つけた。いざ入ってみると、気前の良さそうなおばちゃんが早速席に案内してくれた。店に入って驚いたのが、この朝の時間帯でも席がほとんど埋まっていることだ。そして外国人の姿が一人もいない。外見は観光客向けっぽい店構えだったのだが、恐らく本土から観光に来たであろう中国人観光客で席が埋まっていた。今になって思い返すと、実は外国人の観光客が少ない地域だったのかもしれない。


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備え付けの茶道具
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注文した点心2023101219260862f.jpeg
菜の花の蒸し物
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鶏足と豚肉の蒸しご飯
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海老餃子

言われるがまま席に座ると、当然のように席に備え付けてある茶道具が目に入った。「なるほど、これが飲茶か〜」と3人で道具を眺めていると、おばちゃんが何か説明をしにやってきた。どうやら茶の入れ方の説明とどの茶葉を選ぶかを聞いてきていたようだが、全て中国語なのでほとんど分からず仕舞いだった。観光客向けの店構えだったのでほんの少しは英語が通じるかと思っていたが、見立てが甘かった。
後から備え付けのパンフレットを解読するに、まずは席に備え付けられている湯沸ポットに水を入れてお湯を作るところから始めるらしい。肝心の水はどこから汲むんだと周囲を見渡すと、水が入ったペットボトル(写真右端)が置いてある。どうやらこの水を使うようだ。湯を沸かしたら次に急須や椀を湯で消毒する。捨てる湯はどうするのかというと、この写真の茶道具が乗っている盆に穴が空いており、盆に流せば下の受け皿に捨てた湯が貯まるようになっている。そして茶葉を急須に入れて軽く濯いだ後に湯を入れ、あとは食事を摘みながら飲むという寸法だ。パンフレットに従うとこうなるわけだが、本当に解釈が合っているのかは分からない(笑)。ちゃんと調べようかと思ってが格式ばった店でもないので、こういうのは雰囲気で楽しめればそれで良い。
そんなこんなで無事に茶の準備も整い、しばらく待っていると注文した点心が運ばれてきた。美味そうな点心の数々。どれも総じて美味しいものばかりだった。基本的には前菜・粥・饅頭・蒸し飯のようなラインナップだ。字と写真でなんとなくイメージはできるものばかりだが、中には全くイメージが湧かない品もあり、メニューを見ているだけで楽しい。こうして第1食目はとても満足のいくに食事にありつけた。





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近場の公園
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異国ならではの大木

程よく腹も膨れたため、チェックインまで軽く散策に出かけることに。山へ通じている公園が近くにあったため、まずはその公園から山を攻めてみることにした。園内には山から流れてきた細流が通っており、雰囲気は良い。園内を歩くこと数分後、ちょうど細流に掛けてある橋を渡ろうとしたところで川辺にトカゲを見つけた。


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Physignathus cocincinus の幼体

インドシナウォータードラゴン
Physignathus cocincinus

言わずと知れたペットリザード、インドシナウォータードラゴン Physignathus cocincinus の幼体だ。推定の頭胴長は約10cmほど。まだクレストもほとんど発達しておらず、生後数ヶ月未満といったところだろうか。まさか最初に出会うトカゲが彼らだとは思わなかった。
ただ、実を言うとこの時はまだこのトカゲが本種だと分かっていなかった。適当なカロテスかなんかだろうとなんかだろうと勘違いしていたのだが、ホテルで写真を見返して本種だと気が付いたのだ。ホテルで気が付いた時は一人盛り上がってしまった。専門店で普通に見かける爬虫類でも、野生下の姿をみると何とも魅力的に見えてくるものだ。


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Physignathus cocincinus の生息環境

本種と気が付いてから驚いたのが、この個体がいた環境である。この個体がいた環境はご覧の通り、水深が10cmにも満たない細粒の川辺だった。川幅は狭く、周囲もやや開けている。水に依存したトカゲであることは知っていたが、まさかこんな細流にも幼体がいるとは思わなかった。しかもほんの十数m先には道路があり、結構な量の車が走っている。もう少し鬱蒼と茂った森の川辺にいるトカゲなのかと思っていたが、意外にも人里近くに平然といるトカゲなのかもしれない。


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Gekko chinensis の幼体
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Gekko chinensis と思われるヤモリの卵

シナヤモリ
Gekko chinensis

園内を歩いていると、手すりに張り付いた シナヤモリ Gekko chinensis の幼体を発見した。時間的には真昼時だったのだが、こんな時間でも出てきていることに驚いた。どんなヤモリでも、一応ヤモリ好きとしてはちょっと嬉しいものだ。模様が意外にもカッコ良い。本種は香港でもかなり多いヤモリのようで、この旅の中で相当数を見かけた。
他にも、手すりで産み付けられた本種のものらしき卵も確認することが出来た。彼らにとっては園内の手すりも大事な活動領域の一つなのだろう。


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山腹にある東屋
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ヘビの脱皮柄
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香港の街並み

園内から山頂を目指して歩いていく道中で蛇の脱皮柄を見つけた。蛇の痕跡を見つけると途端に期待感が高まる。しかし、結局めぼしい成果はなかったため、山からの景色を堪能しつつホテルに戻ることにした。





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香港の街角
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宿泊した部屋
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マクドナルドで昼食

無事チェックインを済ませ、部屋で荷ほどき。ここが我々の4日間の住処となる。いさゆ氏が宿泊先含めバッチリ下調べしてくれていたお陰で、お手頃でかなり綺麗な部屋が取れた。立地も素晴らしく、飲食店やコンビニなども周囲にあり、フィールドへのアクセスも大変良い。よくピンポイントで宿見つけてくるなぁ〜と氏の能力には毎度驚かされる。

ある程度体も休まり、時刻も夕方に迫ってきたため、夜フィールドに出かけることにした。フィールドに赴く前にマクドナルドで軽く腹ごしらえ。注文はタッチ式パネルで完了でき、メニューはやや異なるが味は日本とほぼ変わらない。日本にもある海外チェーンは本当に安心感がある。マクドナルドはこの旅でも度々世話になった。香港は物価が高いと聞いていたが、バーガーの値段はあまり高いと感じなかった。





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山中の沢
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探索をする我々
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ヤモリの卵
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夜の山道

昼に散策した山とは別の山に向かった。山道を進んでいくと、次第に森は鬱蒼とした雰囲気となっていった。道中、排水用パイプ穴で頻繁にヤモリの卵を見かけた。この辺はマレーシア - キャメロンハイランドでも見た光景だ。この山は水源が豊かなのか、何本もの沢を見かけた。沢を見つけるたびにカエルやヘビがいないかどうか虱潰しに確認する。沢を見るとオオアタマガメ Platysternon megacephalum やミスジハコガメ Cuora trifasciata なんかを心の奥で期待してしまう自分がいたが、まぁそう簡単なものではない(笑)。
暗闇の中、異国の森でライト片手にワクワクしながらひたすら歩き回るこの感覚・・・実に4年ぶりだ。否応にも目が冴え、好奇心のままに動物の気配を探る。この時だけ感覚が野生に戻り、童心の頃の戻れたような気がしてくる。


気が付けば陽もすっかり落ち、ヘッドライトの光を頼りに舗装された夜の山道を歩いていると、同行者が突然後ろで声を上げた。何かと思って近寄ると・・・


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Trimeresurus albolabris

シロクチアオハブ
Trimeresurus albolabris

香港では一般的な毒蛇の一つ、シロクチアオハブが鎮座していた。香港紀行での初のヘビ登場だ。私も素人ながら注意深く生き物を探していたが、目の前を通り過ぎたのに全く気が付かなかった。流石の擬態能力だ。やはりクサリヘビは佇まいが最高にカッコいい。体色も全身緑色でとても美しい。発見した時は写真のように山道に向かって下を向いていた。獲物が通るのを待っていたのだろうか。
爬虫類観察を目的に海外フィールドを歩いたのはこれが3回目だが、実を言うと今まで見れたヘビはニューカレドニア紀行のブラーミニメクラヘビ Indotyphlops braminus だけだった。ヘビには造詣が深くないものの、流石に海外でちゃんと見たヘビがブラーミニメクラヘビだけというのは若干の恥ずかしさもあり、香港では絶対にヘビが見たいと思っていたのだ。初めて海外のフィールドで見る野生下の毒蛇に、思わず興奮が止まらなかった。


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Trimeresurus albolabris

興奮しながら写真を撮っていると、後から欧米人のランナーが近寄ってきた。何を撮っているのかと聞かれたので「viper(毒蛇) だ」と伝えると、「あ〜このヘビね」といった感じでとてもあっさりとした反応だ。どうやらそのランナー曰くこの道ではよく見かけるらしい。この辺りの人間にとってはそれくらい普通の存在なのだろう。毒蛇が身近というのは私にとっては何とも奇妙な感覚だ。


そうして初めて会えた毒蛇1匹と見知らぬランナーおじさん1匹に感謝しつつ、山の奥への歩みを進めることにした。



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Duttaphrynus melanostictus

ヘリグロヒキガエル
Duttaphrynus melanostictus

アオハブに後ろ髪を引かれながらも歩みを進めていくと、今度は定番のカエルに出会えた。言わずと知れたヒキガエルの一種、ヘリグロヒキガエルである。本種はマレーシアのキャメロンハイランドでも見たので正直なところ感動はない。「香港にも居るのかこいつら・・・」と内心思ったが、折角なので一応撮影だけしておいた。翌日以降も何匹か見かけたが、サイズはどれも小さいものばかりだった。


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Hemidactylus garnotii

Hemidactylus garnotii

更に奥に進んでいくと小さな竹の群集が現れた。その竹を注意深く観察すると、ヤモリが至る所にいた。ナキヤモリの一種 Hemidactylus garnotii だ。本種は香港で見たかったヤモリの一つだ。本種は単為生殖を行うという面白い特徴がある。外見はホオグロヤモリ Hemidactylus frenatus やヒラオヤモリ Hemidactylus platyurus などにも似ているが、ヒダの生える部位や体型などからも見分けられようで、この辺りにいるのは基本的に本種らしい。眼を凝らすと本種が何匹もいた。


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Gekko chinensis

他にはシナヤモリ Gekko chinensis も確認できた。この個体はかなり大きく、正確に測ってはいないが20cm弱はあろうかという大きさの個体だった。ニホンヤモリくらいの大きさを想像していただけに、それより一回りは大きいサイズ感に少々面食らった。この日だけでもシナヤモリは見飽きるほどの数を見たが、これだけ大きい個体にもなると中々の風格がある。他の場所ではあまり同じ場所で本種と Hemidactylus garnotii を見かけなかったが、この竹の群集では2種が同居していた。ヤモリ好きとしてはヤモリが見れるとちょっと嬉しいものだ。


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タマヤスデの一種

他にもタマヤスデの一種なども見かけた。


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香港の夜景

山の中を歩いていると突然開けた道に出た。ふと目線を上げると、美しい香港の街並みが目に入ってきた。結構な距離を歩いたために疲れも溜まっていたが、この景色を見ると疲れも忘れてしまいそうだ。「これが百万ドルの夜景か〜」と皆カメラを取り出して写真を撮りつつ、わずかな時間ながら疲れを癒した。


束の間の景色に皆で感想を駄弁りながら歩いていると、突然山の斜面で物音がした。それも明らかに爬虫類のような小さな生き物の出す物音ではない。パキパキと枝をへし折る音だ。「一体何だ」と藪に眼を凝らしていると・・・



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黒い獣が横切る


藪の奥で黒い体と白い刺が見えた。姿を見た途端、正体が頭に浮かんだ。


「ヤマアラシだッッ!」


思わずそう叫んだ。そう、音の正体はヤマアラシだったのだ。我ながら認識して声に出すまでの速度に驚いた(笑)。実は後から調べた知ったのだが、香港にはマレーヤマアラシ Hystrix brachyura が生息しており、夜になると山や人里に姿を現すらしい。そんなこと全く知らなかった我々は、突然山から現れた彼らに興奮驚愕。ヤマアラシなんてアフリカとかヒマラヤの動物だとばかり思っていたので、「なんで香港の山奥にヤマアラシがいるんだ?」とまさかの事態に驚きっぱなしだった。よく見ると2匹いるようで、小さい個体と大きい個体が縦列で行進していた。今思うとあれは親子だったのかもしれない。彼らはすぐに山の奥へ歩いていったため、はっきりとした写真は撮ることができなかった。しかし、この出会いのお陰で下がり切っていた我々のアドレナリンも一気に回復した。


突然のヤマアラシとの遭遇に3人でゲラゲラ笑いながら、歩みを進める。山を越えて歩き続けていると、小さな川を見つけた。早速川を覗いてみることにした。川を見ると覗かずにいられないのは生き物好きのサガだろうか。流れは比較的穏やかで、水質はまぁまぁ綺麗だ。川底を見ていると、動く影を見つけた。


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Schistura fasciolata

Schistura fasciolata

バンド柄が美しいローチの一種のようだ。日本のフクドジョウっぽい見た目をしている。川幅自体は狭いが、個体数は多かった。一体何を食べて生きているのか気になる。写真はないが、他にも日本のオイカワに似た魚もいた。海外で淡水魚を見る機会はほとんどなかったので、自分にとっては案外貴重な経験だった。


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Cherax quadricarinatus

Cherax quadricarinatus

他にもオーストラリア原産の淡水ザリガニがいた。どうやら外来種として定着してしまっているようで、日本でも当然ながら飼育禁止だ。その侵略性とは裏腹に、青いボディが何とも美しい。中々警戒心が強く、ちゃんとした写真は撮れなかったのが残念だ。


川の観察を堪能したので、散策を続けつつ、ホテルへの戻ることにした。


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Hemidactylus garnotii

戻る道中でも、ナキヤモリの一種 Hemidactylus garnotii は至る所で見かけた。特に人工物ではよく目立つ。ただし、観察できた個体数としてはシナヤモリ Gekko chinensis の方が圧倒的に多かった。専門家ではないので素人考察だが、シナヤモリの方が体躯が大きくより優勢なのかもしれない。


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Odorrana graminea

Odorrana graminea

湿ったところを歩いているとカエルが時折いる。これは日本にいるハナサキガエルと同じニオイガエル属の一種のようだ。まだ幼体のようで手の平サイズだった。警戒心が高そうな見た目だが、意外と近づいても逃げない。この辺のカエルは特にどれも似通ってるように見えるので、パッと見ただけでは見たことあるカエルかよく分からない。マレーシアでも見た目がそっくりのカエルを見かけたのを覚えている。


ようやく長い山道も降りつつ街に向かって歩いていると、何やらまた山の斜面から音がした。まさかと思って立ち止まると、ガサガサと音を立てて彼らが再び現れた。



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Hystrix brachyura

マレーヤマアラシ
Hystrix brachyura

2-3時間ぶりの登場である。「またおるやんけ!」と思いながらよく見ると、先ほど見た時と同様に小さい個体と大きい個体が並んで歩いている。もしかしたら先の個体と同一個体なのかもしれない。今度は逃すまいとカメラを構え、何とか姿を写真に収めることができた。最初に出会った時は正直かなりビビっていたが、こうして見ると歩き方が何とも可愛らしい。しかし1日で2度も野生のヤマアラシに出会う日が来るとは思わなかった。


こうしてヤマアラシ達に見送られながら無事ホテルに到着し、我々の香港紀行第一日目は終了した。




→ ②へ続く(鋭意執筆中)

大雪


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大雪を眺める猫


2月5日、東京 - 大雪。

目覚めると何やら妙に寒気がしたので外を覗いてみると、一面が銀世界となっていました。雪が降る地域で育ってこなかったせいか、大人になってもどこか雪に対する憧れがある。東京では去年も同じ時期くらいに大雪が降ったが、まさか2年連続で大雪が降るとは思わなかった。
しんしんと降る雪を眺めながら珈琲を飲んでいると、愛猫が窓の外を眺めにやってきた。どうやら降ってくる雪の動きが気になるらしい。まだ2歳の彼にとっては生涯2度目の雪、興味深そうにジッと眺めている。この日は猫と雪を眺め続けるという特別な午後になりました。


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クーリングルームから眺める雪景色


クーリングルームの前に植えられたハナミズキにもびっしりと雪が積もっている。このクーリングルームは平均して外気温 + 5〜10℃くらいなのですが、流石の雪のせいか今年最低温度を更新していました。カワラヤモリやフトユビヤモリなどの小型種の様子がやや不安でしたが、特に問題なく眠っていました。ウチワヤモリやカベヤモリなどの連中に至っては痩せてすらいなかった。
冬は毎年ほぼ全ての乾燥系ヤモリやトカゲを寝かせてしまう。特にこだわりがあるわけではないのですが、季節性が明確にある生体は寝かせた方が体内時計など含めた生理がしっかり循環して機能するのかもしれないと考えているためです。可愛がるあまりに、何も考えず年中ただブクブクと餌と生緩い住環境を与え続け、季節の変化に伴う彼らの生理を考えないのは愛玩としての飼育であったとしても趣味としての飼育とは言えないのではないだろうか、そんな風に思ってしまうのです。
この時期の悩みはクーリングそのものだけではない。もう一つの悩みが、飼育趣味に対するモチベーションが下がってしまうこと。私がメインで飼育しているマルメヤモリやヒルヤモリも、この時期は基本的に軽いクーリング中のため活性が低く、飼育部屋全体を眺めていてもあまり動きがない。しかもこの時期は繁殖行動を行う種も少ないので、飼育に対するモチベーションがどうしても下がってしまうのです。最近ではすっかり爬虫類ではなく植物と錦鯉にハマってしまっています(笑)。少しでも飼育へのモチベを上げようと調べ物をしたりSNSを見たりするのですが、Xなんか見てると、正直くだらない炎上話が流れてきたりレベルが低すぎたりで見ている方がストレスというか、余計にモチベが下がってしまう(いい加減SNSやめろよって話ですが笑)。色々試したが、結局一番モチベが上がるのは尊敬している飼育者と濃い爬虫類談義に花を咲かせることだった。マニアと話していると常に新しい発見があるのもこの趣味の醍醐味なのかもしれません。


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最近買ったBiophytum と Philodendron


冬が明けるまで、ヤフオクで草を漁り、新潟小千谷市の錦鯉に思いを馳せつつ待つとしよう。

謹賀新年 - 2024


謹賀新年
もう1月も半ばですが、新年明けましておめでとうございます。


年始に記事を書き貯めてどんどんUPしようと思っていたのですが、新年早々に肺炎を拗らせてしまってから未だ体調が戻らず・・・結局は年明けの更新が大幅に遅れてしまいました。




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Phelsuma mutabilis



新年一発目はいい感じに撮れたムタビリスヒルヤモリ。
こいつもそろそろ一回じっくり記事かキャスで語りたいなぁと思っている種。ようやく自家CBのF2も取れ始めたし、WCのコロニーも立ち上げたので、多少語っても知ったかイキリにはならないはず・・・だと思いたい(笑)。

そんなこんなで今年も当ブログを宜しくお願い致します。

2023ご挨拶


前回の投稿から期間が空いてしまいました。イベント参加以降すっかり燃え尽きてしまってブログ更新をサボりにサボっていたのですが、流石に大晦日くらいは更新しなければ・・・。

今年も当ブログ並びに管理人 - Ayumu にお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。今年は前年にも増して色々な出来事がありました。ヤモリ本『Gecko Essence』の製作販売や香港への両爬虫類観察、その他にもロシアで出たヤモリ図鑑への写真提供や、裏でこっそり某爬虫類雑誌にちょっとだけですが取材協力したり(イキリ)など、光栄なお話もいくつか頂いたり・・・。
特にヤモリ本の製作販売は自分の中でも趣味人としての一つの到達点でもありました。自分が蓄積してきた技術を紙媒体として形に残す。そんな自分の中での憧れにまた一歩近づくことができた。このあたりの思いや秘話を話すと止まらなくなるので、またいつか記事にまとめることにしようかと思っています。
去年も激動の年でしたが、今年もより一層楽しい出来事の連続でした。その多くがこの趣味を通して出会った方々が紡いでくださったご縁のものばかり。改めて周りに恵まれていると実感した一年でした。そして何より、私がこの趣味で最も尊敬しており、ブログを始めたきっかけでもある方と、イベント前夜の晩餐にてお話させていただく機会に恵まれた。超個人的な話なので細かい話はあえて控えますが、お誘いいただけたことは私にとってこの上ない名誉であり、この趣味を続けてきて本当に良かったと心から思えた瞬間でした(改めてお誘いいただきありがとうございました)。同時にこの趣味はまだまだ深く、自分はまだ浅瀬で玄人ぶっているだけだとも実感しました(笑)。


一方で今年は飼育・繁殖がまるっきりダメな年でもありました。本当にビックリするくらい成績が悪かった。ブリーダーでもないくせに成績とか抜かすなって話なのですが、去年一昨年と比べると全然上手くいかない年でした。まぁエアコンが壊れたり仕事が忙しくてメンテが不十分だったりと思い当たる節は色々あるが、結局はただの言い訳でしかないので、来年の実績で挽回することにしよう・・・。例年は一年最後の記事の締めくくりとして今年一年の繁殖個体を羅列しているのですが、今年はそんなことできないくらい繁殖できなかったので、去年の大晦日に迎えた猫の画像でお茶を濁すことにします。

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今年も当ブログ「Bamboo's Gecko」をご覧いただき、心より御礼申し上げます。
来年もご愛顧の程何卒宜しくお願い致します。

Bamboo's Gecko管理人 - Ayumu